Bluetooth相互運用性テストのケーススタディ:インフォテインメントシステムの販売後の障害特定

Nextgen | 2021年3月12日 | ケーススタディ

大手自動車メーカーの車載インフォテインメントシステムの性能に関する苦情対応に、Nextgenの自動テストプラットフォーム(ATAM)がどのように役立ったか。

「自動車メーカーにとって、評判がすべてです。問題が発生した際に、特に顧客への誠意ある対応や改善措置がない場合、すぐに悪い評判が広まります。 Nextgen ATAMは、見つけにくい問題の根本原因を特定し、関係者全員を問題解決に対応させることができました。」

Andor Miles Board, Nextgen

背景

大手自動車OEMは、最新モデルの発売が成功した後、次のリリースに向けた製品ラインナップの計画を立てていました。

最新モデルの販売は堅調で、世界市場で成長を続けている中、発売開始から僅か数ヶ月後、車両ユーザーから通話が切断する事例報告を受け始めました。 当初、苦情は少数でしたが徐々に増え始めた為、メーカーは対応が急務であると判断しました。 なぜなら、そのインフォテインメントシステムはすでに使用されており、システムは未確認のバグがある状態で市場に出荷されたという懸念が高まっていたからです。

case_study_testing_infotainment_system_image

問題対応

多くの利用ケースが関わっているため、OEMは、正確な原因を特定することが簡単ではないことを認識しました。 さまざまな車両所有者が、さまざまな電話(市場レポートでは問題が特定のモバイルデバイスに関連しているかどうか不明でした)または、さまざまなモバイルセルラーネットワークでインフォテインメントシステムを使用していた可能性があります。

市場データが示した唯一の情報は、各通話がネットワークから切断されていなかったことです。原因は、インフォテインメントシステムへのBluetooth接続に不正アクセスされ、通話している双方が相手の声を聞くことができなくなったのです。

消費者からの苦情が増える中、自動車OEMは迅速に対応する必要がありました。 まず、社内のエンジニアリング部門で問題の再現を試みましたが再現出来ませんでした。そこで、問題解決を依頼されたのが、専門知識と市場をリードする技術力が評価されたNextgen でした。

当社の対応

Nextgenは、市場をリードする特許取得済みの自動化プラットフォームNextgen ATAM(Automated Test Application Manager)を使用して、AndroidおよびiOSモバイルデバイスでテストするインフォテインメントシステムをセットアップしました。 また、主要なモバイルネットワークからのサブスクリプションが使用されていることを確認しました。 この2つの要素を組み合わせることで、問題の再現と根本的な問題の発見に確信が持てる十分な順列が得られました。

Nextgenのエンジニアは、考えられる問題のすべての原因をカバーするように特別に設計した自動テストシーケンスを考案しました

blue_graphic2 (1)

Nextgen ATAMのグラフィックユーザーインターフェイスであるFlexFlowを利用することにより、 インフォテインメントシステムの電源投入サイクル、Bluetooth通信とUSBの接続と切断を組み込んだ包括的なテストシーケンスを定義し、さまざまな期間の受信、発信の通話テストを実行し、主要なテストモバイルデバイスとネットワークをそれぞれ使用することができました。

sized_atam_setup4

自動化相互運用性テストの記録

エンジニアリング部門は、テストシーケンスを考案し設定ができたので、さまざまなシステムパラメータを記録し分析できました。記録には、インフォテインメントシステムのログ、Bluetoothアナライザーのトレース、Wi-Fiアナライザーのトレース、および各通話の音声録音が含まれていました。 システムの応答時間(Bluetooth、Wi-Fi、USB、およびメディアの電源を入れ直した後の接続までの時間)も記録されていました。

APIを使用することにより、Nextgen ATAMは機器を制御し、Bluetooth、Wi-Fi、およびUSBリンクの接続状態をログに記録しました。 また、アップリンクとダウンリンクのオーディオ品質もモニタリングし記録しました。

インフォテインメントシステムのログは、各テスト中にコンパイルされ、各テストサイクルのサポートデータの一部として保存されました。 テストが進むにつれて、発生した各障害のBluetoothアナライザートレースとビデオ記録を作成しました。

結果

Nextgen ATAMは、わずか48時間で、問題の再現に成功しました。テストは金曜日に開始し、週末に実行、月曜日にはエンジニアが出社する前に問題を特定し、解決を待っている状態でした。

分析の結果、通話が長いほどBluetooth接続が断続的に切断していました。 Nextgen ATAMは、関連するすべてのBluetoothアナライザー、オーディオおよびビデオログを編集し、分析により、特定の携帯電話のカテゴリとオペレーティングシステムに関連する問題を特定しました。これは、潜在的な解決策を特定する作業をすぐに開始できたことを意味します。

さらに、特別なインフォテインメントシステムソフトウェアを使用して、テストを展開しました。これは、特定の内部サブシステムの動作を監視およびログに記録することにより、問題の根本原因を特定するために設計されました。

OEMは、問題を特定して対処することに成功しました。根本原因分析の後、OEMは更新されたインフォテインメントシステムファームウェアを提供しました。これは、さまざまなデバイスとテスト条件にわたる自動ストレステストを使用して検証されました。そして、 Nextgen ATAMの自動ストレステストが、問題を解決し、新しいファームウェアをエンドユーザーに提供したことが確認できました。

「Nextgen ATAMを導入すれば、エンジニアが不在時でもテストを実行し、問題を見つけることができます。今回のように見つけにくいインフォテインメントシステムの問題の根本原因をたった1週間で特定したときほど、Nextgen ATAMの重要性が証明されたことはありません。」

Senior Automation Engineer, Nextgen

Nextgenの自動化テストプラットフォーム(ATAM)が相互運用性テストを加速するためにどのように役立つのか、詳細をご覧ください。

Share this post on:

Share on facebook

Share on linkedin

Share on twitter